デュアルエナジー(X線波長の活用事例)

X線の物質を透過する特性を活かし、透過像を得ることが一般的に知られています。物質を透過した情報が全て重なった画像となり、濃淡で表現されます。形状を主な情報として活用します。

食品異物検査(シリアルとアルミ片)

食品は異物混入を防ぐため、様々な対応や検査をおこなっています。その1つとしてX線による非破壊検査があります。ここの例では、シリアルにアルミ片(0.5mm厚と1.0mm厚)を用意し、アルミ片を異物として判定できるか試します。

X線透過像であれば簡単に判別できると思われるかも知れません。FPD(TFT)実際に撮像した結果はこの通りです。

中身のシリアルとアルミ板が重なってしまい、検出対象であるアルミ片の形状がわかっていても判別することが困難です。実際に想定される異物の形状はわからないため、異物の判別は更に難しくなります。 濃淡だけの形状による情報のみでは、判別できません。

X線は管電圧を変更することで、出力される波長(エネルギー)が変わります。異なる2つの波長を活用する方法をデュアルエナジーと呼んでいます。以下は実際に2つの異なる波長の画像を処理し、アルミ片を強調表示したものです。通常の透過像に比べればデュアルエナジーの効果は一目瞭然です。

続いて、CdTeラインセンサ(蓄積タイプ)にて、同等の処理を行った結果は以下の通りです。

こちらもアルミ片が2つ判別できています。

上記2つのX線カメラでの撮像事例で、デュアルエナジーの効果を確かめることができました。しかし、実際には低エネルギーと高エネルギーの2回分の撮像が必要となります。食品検査を想定すると、中身がまったく動かない状態で2回撮像するのは非常に困難です。そのため、1回の撮像で低エネルギーと高エネルギーに分離する機能が求められます。これは、フォトンカウンティング型エネルギー弁別機能によって実現することができます。以下の画像は、弊社のCdTeFPD(3x3)の実例です。センササイズが3cm x 3cmと小さいため、位置を特定するために金属マーカーを設置しています。アルミ片や金属マーカーを、1回の撮像で低エネルギーと高エネルギーの画像を同時に得ることができます。その2つの画像を処理しアルミ片を判別することができます。

このように、これまで形状だけでは判別が困難だった場合でも、デュアルエナジーによって可能になるかもしれません。

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